慰霊碑   神戸新聞より

 阪神・淡路大震災の犠牲者らを悼む「慰霊と復興のモニュメント」(神戸市中央区)の銘板に、震災当時の兵庫県知事で、先月交通事故で亡くなった貝原俊民さんと、肝臓がんのため9月に急逝したNPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」(同市西区)理事長の黒田裕子さんの名前が加わる。モニュメント運営などに貢献した関係者を悼む特別枠に追加される。式典は今月20日、同モニュメント前で行われる。
 2000年に完成したモニュメントの銘板には、震災が遠因で亡くなった人も含め4947人の名前が刻まれている。特別枠は10年に設けられ、モニュメント建立を決めた元神戸市長笹山幸俊さんや、「阪神・淡路大震災1・17のつどい」元実行委員長中島正義さんらの名前がある。
 貝原さんは震災後、「創造的復興」を掲げて救援・復旧活動を指揮し、県として新たな支援制度も提唱した。01年に退任後は、公益財団法人「ひょうご震災記念21世紀研究機構」理事長に就任。東日本大震災の被災地を訪ねるなど、経験の継承に努めてきた。
 黒田さんは神戸市西区の仮設住宅を拠点にボランティア活動を始めた。医師らと共に同ネットワークを設立し、国内外の被災者に寄り添う活動を続けた。
 モニュメントを管理する運営委員会の堀内正美委員長(64)は「この2人がいなければ、阪神・淡路の復興は全く別の形になっていた」と功績をたたえ、銘板追加を決めた。式典では犠牲者ら22人の名前も刻まれる予定。(黒川裕生)