訃報
講演の始まる前に同級生に出会った。
たまたま出会った彼から聞かされたのは同級生の訃報だった。
「お葬式に来なかったのは知らなかったの?」と言われた。知らなかったよ。
いつも赤い服を着ている私が、たまたま紺色のブラウスを着てきたのは、彼が呼んでいたのかも?なんて、普段はいたって不信心な私が、「これはもう帰りに家に寄るしかない!」と思い、行ってみた。
奥さんが「お線香あげてやって」と言う。遺影が笑っている。
出会えば「家まで送ってやろう。乗れよ」と言ってくれた。優しい人だった。2年前に同級生のお葬式で出会ったのがさいご。
病気のことや、奥さんから聞いて、一緒に泣いた。かわいそうに、奥さんはなんだか小さくなっていた。
「気を落とさないでね。彼はいつもそばにいて、あなたとお子さんを見守っているよ」