赤紫蘇

 赤紫蘇は植えているわけではない。あちこちのこぼれ種から生えている。
 花の畝に生えたのが、肥料が残っていたらしく、まずまずの大きさだった。
 草の中のは栄養不足で小さく、しかももう時期外れか、赤い色がさめて、茶色くなっている。
 塩でもんで、あく抜きをしてから梅干しが隠れるように入れた。青色色素アントシアンが梅の酸に出会って、赤くなる!いい感じ。
 綺麗な葉を梅干しに使い、小さな葉と穴だらけのは、赤紫蘇ジュースにした。
 「たたかうおばあちゃん」の笑い話「紫蘇の巻」
 ばあちゃんは草引きの時に青い紫蘇を引いてしまった。そっくりの雑草があるからだ。「草、引かんと、草、絶えへん!」と言うばあちゃんに教えても無理だった。「ばあちゃん、花が生えたよ。引いたらあかんで」と言うと「はい!」と言って引くんだもの。
 赤い紫蘇は引かない。生えすぎたので「間引いて」と頼むと、わからないらしい。「これは売る」と言う。確かに野菜を植えて出荷していた頃は、紫蘇も売っていた。種を蒔いて間引いて、大きさが揃うと引いて売る。1束100円ぐらいね。野菜の出荷をやめた後は、家で梅干しを作るばあちゃんたちにあげたり、紫蘇ジュースを作る人にあげたりしていた。
 年寄りを元気にするのは「現金収入」つまり「お金儲け」よ。デイサービスやゲートボールではないのよ。