お茶の花

 花もずいぶん前から咲いていたようだ。
 枝には去年の実がなっている。
 椿の実に似ている。調べたら、ツバキ科だった。小さいハチが飛んでいた。
 昔は母が家でお茶を作っていた。
 お茶の葉をつんで、蒸して、むしろに広げ、手袋をして、押し切りで切る。
 手袋をして葉をもんで、外に干す。
 自家製のお茶は、ひなたのにおいがした。
 好きだったが、押し切りを使わなくなってやめてしまった。
 押し切りとは、牛に草やわらをやる時に切っていた道具だ。
 文字通り、刃の上にわらなどをのせ、上から抑えるハンドルで切る。
 コピーやさんや、学校の印刷室などにある、紙を切るカッターは、上から刃を下すが、押し切りは刃が上向きに固定されているのだ。