中学生のお茶のお稽古

 今日は次男の出身中学へお手伝いに行った。お茶のお稽古だ。2月4日が初回、今日は2回目だった。
 この学級は昔は「障害児学級」と言われ、次には「基礎学級」と呼ばれていた。「ここで学ぶものは、学習の基礎だ」という意味だ。今はどう呼ぶのだろう? もっと昔は「特殊学級」と呼ばれていた。障がいを持つ子供が「特殊」な子供なのではない。その子達に「特別に個別に配慮する教育が必要」なのだ。こういうことをわかってくれる人が増えてほしい。高齢者の介護にも通ずる問題だからだ。
 今年は、生徒は1年・2年・3年とも、二人ずつ。それが「交流学級の授業に行ってきます」と言って、出ていくので、6人がそろうことはあまりにも少ない。「音楽よ」「体育よ」と言っては、クラスの生徒が呼びに来てくれるので、その子は「行ってきます」と言いながら、出て行く。
「ただいま」と言って帰ってくる。学校の中のオアシスみたいなものだ。
 さて、お茶のお稽古は、もう9年目だ。お茶とお花を家で教えておられる先生と二人で行く。先生がお茶を教え、私は助手なので、何でもする。お菓子も用意するし、生徒に言葉づかいを教え、立居振舞を教える。叱るし、誉めるし、なだめるし...お母さんでもなく、先生でもない、普通の「おばちゃん」として、生徒が人とつきあう場を広げていく。ま、おおげさに言うと、こうなるが、実際は「楽しいから行く」
 「ようこそ、お越しくださいました」「お招きいただきありがとうございます」「お菓子をどうぞ」「お茶をどうぞ」「お点前ちょうだいいたします」「(器を)おさげします」「結構なお点前でした」という挨拶が大きな紙に書いて貼ってある。これはもう9年目だね。なかなか覚えてくれない子もいる。
 お点前は上手になった。1年生の時は「茶せんを回してはだめ。縦にシャカシャカ」と言われていた子が、2年になると、できるようになっている。その間(3月のひな祭りお茶会のあと、次の年の1月まで)お茶のお稽古は無いのに。3年になると、堂々と胸を張ってやってくれる。成長したもんだ。おひな祭りお茶会は、3月1日にする。
 3年生が「あいさつ」をして卒業する。以前、お手伝いに来てくれたお母さんたちがお客さんになって、生徒たちがたてたお茶を飲んでほっとしていたとき、3年生が進み出て、原稿を読み上げた。しっかりした文章だった。最後に「お母さん、ありがとう」と言った時、お母さんは思わず、はらはらと涙されて、私達も和やかな気分になった。
 4月になると、新3年生が、とたんにいばり出すから、笑ってしまう。今までの、おとなしかったのは何だ?