女性の鑑

 久しぶりに友達に会った。彼女は地域のボランティアとして、ある委員を務めている。年度がわりに、長く務めていた人たちの退任お別れ会があったのだそうだ。そこで、手作りの感謝状が読み上げられ、手渡されたと、彼女が言う。
 そのうちの一人の先輩が、見せてくださったのだそうだ。
「前略...真心のこもった暖かさと優しさを感じさせるあなたは、常にご自身の場所を心得、前に出すぎず、無駄なことは言わず、まさに『女性は かくあるべし』というお手本を私達にお示しくださったと思います...後略」
 私が「えーっ、何、これ?女性の鑑?古〜!」と言うと「ねっ! 期待される女性像。あんたとはえらい違い!」と言う。ほんまや。
 ボランティア? こんな意識で人のお世話をしているのか?
 
 本人はとても良い人なのだと、私は思う。でなければ、ボランティアをそんなに長く務められるはずがない。ただ、この感謝状のこの部分の表現があまりにも品格に欠けるのが悔しい。