法事のごちそう

 夕方、夫が法事のご馳走を持って帰った。ふだんは一人でご飯を食べるばあちゃんの、目の前に夫がいる。ばあちゃんのお茶碗には、まきずしと穴子寿司、お皿には、ごちそうのうちの一部分。
 ばあちゃんは「おいしいです」と言う。デイサービス気分。ご飯を食べ終わり「お風呂に入って寝て」と言うと「わたし、先に入りますのんか?」と言う。だって、じいちゃんが死んでから、ずっとそうしてきたやんか。覚えてないけど...「入って」というと、入った、あがってきて「ええお湯でした。おおきに」と言う。夫がいると、おべんちゃら、言うんだ。 でも、30年、遅かったよ。