最後に甘えたかった

 たたかうおばあちゃん25号を友達に送った。手紙を30通出して、返事は1〜2通、という世界だ。
 一番筆まめな人から返事が来た。さきごろ、実父と舅をあいついでなくしたという。彼女は新年会のとき、舅さんについて「1月に、二度目の介護に突入。姑についで!」と言っていたばかりだ。あっというまに、いってしまったのだなあ。最後に息子のお嫁さんに甘えたかったのだろうか? ストレートに表現できずに、介護の名を借りて甘えるなんて、昔人間、がんこ者なんだ。
 甘えられなくて、自殺してしまったお年よりも知っている。老人の「うつ病」かも知れないが、周りの者も「甘えたいのだ」なんて、気がつかないものねぇ。
 してみると、ばあちゃんがぼけたのは、どんな作戦か?姑としての過去を清算するつもりなんだろうか? ぼけないで、寝たきりになれば、言いたい放題、口の悪いばあちゃんの世話を、喜んでするだろうか?人は「あんた、幸せよ。寝たきりになってごらん。しもの世話が大変よ。元気でいるだけ、喜ばなくちゃ」と言うから、幸せなんだ。ぼけてしまえば、ばあちゃんの勝ち。