ミュージカル「モーツァルト」

 今日はミュージカルを見に行った。「モーツァルト」大阪の梅田芸術劇場だ。(元は梅田コマ劇場)
 教え子の砂川直人君が出演する。
 彼が「俳優になった」とは聞いていたが、もう20年ちかく前に、幼い次男とテレビを見ていたとき、ポンキッキの画面に名前が出たときはびっくりした。「すなかわなおと」 えっ? それからは、毎日、名前を探し、やっと週に1回「むかしばなし」のコーナーに出ているのをつきとめた。当時のポンキッキのおにいさん、「やまちゃん」ことやまさきせいすけさんと、「なおちゃん」ことすなかわなおと君だったのだ。すぐに次男の名前で「ポンキッキクラブ」に入会し、ずっと応援してきた。
 今は年賀状で、その年の出演作品を聞いている。以前は「エリザベート」や「シンデレラ・ストーリー」を見に行った。今年は「モーツァルト」だ。
 まず、チケットを予約。
 つぎに、彼のお母さんに電話をかけた。「楽屋にたずねて行ってやってね」と言われた。えっ?会えるの? 
 梅田芸術劇場に電話をかけた。砂川君本人に訊いてくださって、面会OK!
 では「何か、持って行くの?」と、当時一緒に働いていた先輩の先生に電話してたずねた。「花よりだんご。すぐにエネルギーになるチョコレートが一番!」さすが、頼りになる先輩だ。また「すごいね!教え子が活躍してくれて嬉しいね。私も行くわ」と言われて、さっそくチケットを買いに行かれた。

 さて、開演1時間前に劇場に到着。教えてもらった楽屋口の受付に行って申し込むと、マイクで呼んでくれた。「砂川さん、面会です」そして「白いテープの通りに進んで、エレベーターに乗ってください。」えーっ、中まで入れるの?
 どきどき、壁の棚には金髪のお姫様のようなかつらがずらり...どこ?どこ?
 後ろから来た!「久しぶり!」って、そうね、同窓会で会ったきり。楽屋まで来たのは初めて、どきどき、緊張するなぁ。「先生が明日、見に来られるよ。『あのおとなしい砂川君が俳優!信じられなかったけど、エリザベートも見たし...本当ね。嬉しいね。』と喜んでおられたよ」と伝えて...でも、君が「おとなしかった」っけ?そんなことないよね。ちゃんと、目だってたよ。
「サインして!」と頼んでみると「いいよ。普通の字?」「普通でないのもあるの?」普通の字。あはは。嬉しい、家宝にする?
 目の前を市村正親さんが通られました。わぁ。
 また、子役さんのかわいいこと!あとで、舞台でみると、この子役さんがすごいのだ。

 劇場に入り、プログラムを買って、しっかりプロフィールをチェック。12時30分、舞台の始まり。オペラグラスで探す。主役そっちのけで、砂川君を追っかけて、どうするの?親みたいなものね。
 音楽もモーツァルトも何にも知らないので、詳しいことは書けないが、モーツァルトがウィーンに行ったのだ。第1幕第13場「プラター公園の見世物小屋」というところ。西田ひかるが、お人形に扮し、背中にぜんまいを巻く羽根をつけて踊っている。(違うかな?私、ええかげんやから、違ってたら許して) その時、西田ひかるの母が「私の新しい夫です」と言って紹介したのが、この見世物小屋の団長? クマの着ぐるみの頭を脱いだら!直人君だった! 長い毛ふさふさのクマさんの格好で踊っていた。レッサーパンダが立っても珍しくないよ。クマさんだって立ってる?いや、中身は直人君だから...毛皮が暑いかな?って、今頃、思う。
 それからあとは、どんな格好で現れても、直人君がみつけられるようになり、オペラグラスはもういらない。ストーリーも歌も、しっかり最後まで楽しんだ。
 あ〜ぁ、夢みたいな...うっとりする1日だった。
 たった1年のおつきあいだったのに、こうして立派に成長した教え子に会えるのは、とても嬉しい。教師冥利につきるというもの。