宅老所

 3時過ぎ、宝塚の宅老所の人が畑に来た。去年、畑に焼き芋をしに来たときは、ばあちゃんがデイに行っていたので、今日が初対面だ。「お話しましょう」と言われても、ばあちゃんは草引きの手を止めない。「好きなことは、何ですか?」と訊かれても、返事がない。「今まで一生懸命働いてきたんでしょ。もう、のんびりしたら?」と言われたら「しょうがおまへんわ」と言う。何が、しょうがないの?
 宅老所の人は「でも、ばあちゃん、こうして仕事してると、しあわせそうに見えるよ」と言う。私は「そうかなぁ?『こんな貧乏百姓に嫁にきて、苦労した』と愚痴ばっかり言っていたし、百姓が好きなようには見えないけどなぁ」と言う。何かに追いたてられて、いやいややっているようにしか見えないが...