一見、しっかり者

 90歳になるスーパーばあちゃん。昔からしっかり者で通っていた。
 でも、何でも知っておきたいらしい。
 知りたい、ではない。家族のことを、知っておきたい。誰がどこに行っていて、いつ帰るか、今、遊びに来ている曾孫の友達は、どこの子で、帰りは誰が送るのか。何から何まで知りたい。曾孫の進学にまで、口を出したい。
 しかし、これは変だ。狂っている。自分と他人の区別がない。他人には他人の幸せがある。そこまで支配してはいけない。もっと若いときに、うちのばあちゃんみたいに、「孫の考えにまで口を出すな」とくぎをさしておかなかったからだ。