「ボケても大丈夫な社会」をつくる 鳥海房枝さんの講演会

 2日の講演会のつづき
 鳥海さんは保健婦をしておられた。家庭訪問をしていた時代だ。
 そのときの経験から「生老病死」は誰にでも訪れる、好きでボケたのではない、好きで寝たきりになったのではない、長生きすればしょうがない、ボケても大丈夫だよ、という社会をつくることが大切なのだと思うようになった。そこで、今勤めておられる東京都北区の清水坂あじさい荘を、作る準備の段階からかかわってこられたのだそうだ。「やってて楽しいから、やっている」と言われる。
 あじさい荘は特別養護老人ホームが120名。ショートステイが40名、デイサービスがまた40名だったか、大きい施設だ。利用者のかなりの人が「認知症」だそうだ。
 基本方針のようなものを言われた。
+身体拘束をいっさいしない
+その人の生活習慣を尊重する(たとえば、酒・煙草などもO.K)
+排泄・ふろ・食事は、その人らしく
ターミナルケアの実践 亡くなられたら、正面玄関から見送る
+明日や将来のために、今日をがまんさせない
+規則を作らない、しつけをしない、「今のままのあなた」でいい