「わからん」

 ステイから帰ったのは3時過ぎ。家に着くなり、送ってくれたスタッフに「帰って」と言う。私が「そんなこと言うたら、あかん」と言うと、だまった。あかんときは「あかん」と言わなきゃ。
 すぐに着替えて一人で畑に行った。夕方、私が迎えに行くと、ばあちゃんはお出かけ用の靴をはいている。長靴を忘れたところを見ると、興奮していたのだなぁ。お出かけの靴は大きいのか、フガフガで、ぬげるらしい。かかとをふんでいる。これでは歩きにくい。
 一緒に帰った。ご飯もお風呂もすんだが、寝そうにない。
 やっぱり、台所にやってきた。「テレビ見ても、わからん。こない、わからんかったら、あかんわ」と言う。まぁ、たまには「何もわからん」ということがある。本当に「わからん」のだろうが、「わからん」と言っておけば、その場はしのげるとか、思っているのかも知れない。ステイでうまく立ち回る処世術かも?だてに年を重ねてはいないさ。80年の蓄積さ。