ばあちゃん、帰宅

 ばあちゃんが、ステイから帰るなり、「畑、行きます」と言う。私が送ってくれた職員と話していると、こわい顔して「なんどいな?」と言う、職員は慣れたもの、「何でもないよ。私の!ことを話してるの」 はぁ、話が聞こえないと「私の悪口、言うとるやろ?」と受け取るんだね。
 職員は帰られて、ばあちゃんの着替えもすんだ。ばあちゃんは「何、するのん?」「畑、行くのよ」「畑か。一緒に行ってくれるのんか?」と言う。「行くよ。待って」と言って、台所でお茶を保冷水筒に入れていると、玄関にすわり、のぞいている。
 外へでた。前の空き地の草を引こうとするのを、やめさせた。畑が目的地だから、ね。
 畑の場所を、忘れたみたい。かどかどで、立ち止まり「どこ、行くねや?」と訊く。畑に着いても、「どこ、行く?」「ここよ、ここが畑」「何、するねや?」「草を引くのよ」「草、生えてへん」と。まぁ、よく、逆らうこと。草引きを忘れたかな?