墓参り

 彼岸の墓掃除がもうすぐある。老人クラブの行事だが、ばあちゃんを連れて行くわけにはいかない。せっかく忘れた墓参り回路をつなげてしまって、徘徊先に墓地が加わったら、探すのに困る。徘徊は畑だけで充分だ。あはは。
 墓は、また荒らされている。前回は、あらいぐまのしわざかと思ったが、違うようだ。からすがあほほどいるのだ。あちらの木、こちらの木に止まっている。からすは賢い。追っ払うことにした。からすの真似をして「カァ〜!」と叫んだり、手をたたいたりした。人が来ても知らん顔だと、人をなめるのだ。老人クラブが、墓地附属の運動場でグランドゴルフや輪投げをしていたが、暑い夏からは、やめていたのだろうか?かくなる上は、老人クラブが提唱して、入れ替わりたちかわり墓参りに来ては、お古の鍋でもガンガンたたくよりほかあるまい。
 夕方、6時5分にばあちゃんを連れて帰るとき、トンネルを出たとたん、物音がする。見上げると、無数のからす、何百羽もいるだろう、西の空で群れになり、舞い上がり、まわりまわり...やがて西と東に別れて行った。