ななくさ文化祭

 帰ってから、ななくさ文化祭に行った。正しくは西宮市民文化祭ななくさ会場だ。阪神福祉センターの利用者と職員の展示だけではなく、周辺の自治会も展示とボランティアで参加している。
 ばあちゃんがいつも行くデイケアセンターの入り口と同じ所に行き、反対の入り口から入る。ばあちゃんは、よくわかっていない。「どこや?」と言いながらついてくる。展示の部屋に行くと「何、するのん?」と言う。「これを端から端まで見て」と言うと、壁には綺麗な作品が並んでいるのに、よくわかっていないので、どんどん行く。向こうで、センターの職員がばあちゃんのことを知っていて、声をかけてくれた。別れると、また「何、するのん?」に戻る。「これ、柿や!」と言うので見ると、山の柿を枝ごと飾ってある。食い意地だけは張っている。これがなくなると「死んだも同然」になるかも?
 ななくさ新生園の作品は本格的だ。絵画作品だが、大きいし、プロの指導が入っているのか、色彩感覚といい、完成度といい、そこらの展覧会に負けない。作家名と説明が詳しく印刷されて貼ってある。これなら「なんとかアート」で売れそうだ。
 ななくさ育成園には、私の教え子がいて、陶芸班に所属している。今年は新作のペン立てを出品していた。毎年、何を出しているのか、楽しみである。
 さて、受付けでもらった券を持って、喫茶コーナーに行く。外のテントの中だ。となりの自治会の役員さんがボランティアをしていた。ばあちゃんと、ジュースとケーキをいただいた。
 昔からのなじみの先生が来られた。「ばあちゃんね、もう、私のこと、忘れたよ。『おばちゃん、ここにおっての?』と言うんよ」と言うと「冗談で言ってるんでしょ」と言われた。「なんで、そう思うの?私が言ってるのに、どうしてそういうふうにとるの?ばあちゃんも宇宙人だけど、スタッフも宇宙人かと思うよ。もうちょっと、考えてやってよ。でないと、ばあちゃんに太刀打ちできないよ」と言うと、ちょっとびびった?「ごめん。気をつけます」と言われた。あんまり、こういうふうに家族から抗議を受けたこと、ないんでしょ?ここは、特に古い施設で、障がいがあって、家族とくらすのがしんどい家庭の場合、親は「ありがとうございます。お世話になっています」の姿勢だから、気になることがあっても文句を言わないよね。さくらちゃんでも言うよ。「家族は抗議を言えないよ、ね。そこんとこ、職員はわかってよ、ね」って。思わず、かっとして、むきになってしまって、反省。