「プロなら頑張れ」  安永さんの講演会で

 19日の安永道生さんの講演会で。
 参加者が30名ほど、ということで、それなら皆の顔が見えるように、机を四角に並べた。中央に安永さんが座り、私は右側の角に座った。
 「すみなれた土地をはなれたくない」をテーマに安永さんが話す。そして、参加者に意見を求めていく。病気になり、体が不自由になった人に「そのときは何に困ったか?」とか尋ねてみる。
 まりもちゃんが口を開いた。「父を介護しています。88歳。デイサービスに行っていたが『他の曜日も利用したい』と言うと、ケアマネさんが別の施設を紹介してくれた。そこの利用者は女性ばかりだった。父は喜んで行っていたが、つい先日、ケアマネさんから「もう来ないでくれ」と言われた。理由は、父が「怒るから、他の利用者が怖がる」というものだった。突然言われても困る。施設に理由を問うと『ケアマネに聞いてくれ』ケアマネは逃げ腰。」
 うちのばあちゃんも「怒る」! でも、「怒る」を理由にして「来ないでくれ」と言われたことはない。なんとか、なだめようと試みてくださっている。ステイを利用し始めたころは、たまに失敗して、ばあちゃんが振り分け荷物をかついで、所長さんや職員を引き連れ、帰ってくることがあった。でも、このごろは脱走する前に手を打っているようだ。
 「そんなところはやめてしまい」と私は言った。「もちろん、やめるつもりです」とまりもちゃんが言う。「でも、こんな一方的なことはない。もっと前から『家ではどのように対処していますか』とか、ともに父に寄り添い、改善していくような取り組みがほしかった」と言う。そりゃそうだ。でなければ、お金をもらって介護に携わるプロとしての値打ちがない。
 「西宮市の介護施設の質が低いのだ」という話があちこちから飛び交う。近隣の市と比べてみるとわかる。なさけない。
 まりもちゃんがまた言う。「父はデイサービスを楽しみにしていたんです。断られたことをどう説明すればいいのでしょう?」
 今、思いついた。「そこは、接客態度が悪くて、倒産しました!」なんで、まりもちゃんに問われたときに思いつかなかったんだろう?悔しいな!