デイサービスで、テンション、あげないで

 今朝はばあちゃんが8時過ぎに起きてきた。トイレが終わるのを待って、服を着せて、お経に行かせ、ご飯にした。上手に食べて、入れ歯も洗い、薬も飲んだ。新聞と「次回のお知らせメモ」で「ななくさ行き」を確認し、着替えがすんだら、ほどなくして迎えの車が来た。
 私が畑から帰ると、もうばあちゃんは帰って来ていた。上着を脱いで着替えをしていた。私はすぐによそ行きの服を隠した。目の前にあると、間違うからね。
「外、行きます」と言うのを「寒いから、やめとき」と止めた。「寒いから、草引きはいらん」と言うと、今度は「おしっこ」と部屋の往復だ。その上、テンションが高い。興奮していると、私の言う事が耳に入らない。
 デイでテンションをあげないでください。言われている事が耳に入らなくて、いきなり怒るので困るのです。この前の黒田裕子さんの講演のあとで、皆でお昼ご飯を食べているときに言うと、デイサービスに勤めていた人が「デイはテンションをあげるのが仕事よ」と言った。それは違うと思うよ。
 いろいろな人がデイに来るわけでしょう。皆を一つのメニューにはめることはないじゃないの?違う事をしていてもよいし、実際にばあちゃんは、トマトの水かけとか、個別メニューでやってもらっている日もある。皆がやっているリクレーションを見ているときもあるし、参加するときもある。いろいろなことをしても、しなくてもよい!テンションをあげなくてもよい。静かにのんびり過ごしてくれてもよいのだ。そのまま、静かに帰ってきてくれたほうが、私は助かる。
 デイに来ているから、何かをしてあげなくてはいけない、とか、サービスを提供しなくては、と思ってくれなくてもよい。テンションあげずに、心地よくすごしてもらうこともできるのではないの?空気を共有するだけでいいよ。寄り添って、となりに座って、同じ景色を見ているだけでいい。「共にそこにいる」だけで何もしない、というのは、難しいのですか?