ばんぺいゆ

 晩白柚が届いた。メロンより大きい箱に2つ納まっている。大きさ・香り・艶..見事と言うほかない。お礼の電話をすると「これなら笑えるかな?」とおっしゃった。笑えるより、勿体なくて食べられない。
 そうだ、中学生に見せよう、というわけで、昨日のクリスマス会に持って行った。教室に着いたときは、準備中だった。先生は出し物の練習をしていて、私が呼んでも気付いてくれない。外に出て、隣りの校舎の軒に、つるし柿の出来具合を見に行って帰ると、皆で「このかばんは誰だ?」と騒いでいた。「私よ。プレゼントがあるから、びっくりしてね」と言ってから、とりだして見せると「わー!」「何?」「みかん?」「そうよ。晩白柚。いくらあると思う?」
 一人ずつ持ってみる。「軽い」と言う。そうね。鉄の玉より軽い。中学生の顔より大きい。「ほんとはいくら?」と訊くので「2.2kg」ちゃんと、家を出る前に量ってきた。お米などを計る100kgまでの量りだ。「写真をとろうよ」と言いながら、ちょうどそのときにやってきた、あきちゃんのお母さんと弟(赤ちゃん)と並んでみたら、カメラが動かない!
 そんなこんなで、クリスマス会をする。生徒は6人。歌や踊りや手品もあり、皆、芸達者。校長先生・教頭先生・用務員さん・担任や教科を習っている先生、皆で見たり、一緒に歌ったり、踊ったり...朝から生徒たちがデコレーションをしたケーキを食べる。
 晩白柚も切ってみる。一人一きれずつ食べてみる。「おいしいですね」「そうね。思っていたよりもおいしいね」甘いし、酸味は少なく、苦味もない。おいしかった。
 皮は、私が大事に持ち帰り、切って、ゆでて、水につけて一昼夜、あくぬきをしてから、砂糖煮にした。おいしい。ふかふかの部分も、もったいないので、ジャムにした。ペクチンが少ないのか、水にさらして、流れてしまったのか、いつまでも柔らかいジャムになった。薄紅色の綺麗なジャムなんだけど。
 こうして、楽しんで、食べて、多い分は冷凍したから、値打ちあったよね。