老人くらぶ

 午後、地域の老人くらぶの役員さんが3人そろって自宅にみえた。会長・副会長・婦人部長だ。応接間に入ってもらった。
「ご主人はもう60才を過ぎたと聞いたので、くらぶに入ってください」と言われた。それはもちろんオーケーだ。私も一緒に入って「一人暮らしの人の話し相手ボランティア」をしてみようか、と思っていたぐらいだ。「幼稚園児と遊ぶボランティア」もおもしろそうだ。夫は「くらぶに誘っていただいてありがとうございます。入らせてもらいます。でも、地域には私よりも年長者でまだ入っていない人が何人もいるので、誘ってあげてください」と言うと「誰が何歳か、わからないので、誘いに行けなかった」と言われる。なんで?会長さんの家から見えるところに家があるじゃない。自分よりあとで生まれた後輩の年がわからないの?私ども夫妻なんか、ここで生まれたのでもなく、縁あって来たのだから、相当の努力をしてお付き合いをしてきたのだ。だいたいの年齢もつかんでいる。役員さまがた、努力が足りないよ!(とは言えないので...頑張りなはれ!)
 お客様にお茶を入れようと、台所に行くと、3時10分前だ。あら!ばあちゃんがもうすぐ帰って来る。すっかり忘れていたし、時計も見なかった。どうにでもなれ!
 お茶を出し終わると、ばあちゃんが帰ってきた。「ばあちゃん、お客さんやで。行くか?」と言うと、その気らしいので「『よう、おいで』言うんやで」と言いながら応接間に連れて入った。ばあちゃんは「今、帰ってきましてん」と言う。会長さんが「どこへ、行ってなはったん?」と訊かれたが、それには返答なし。目ざとく、テーブルのカステラをみつける。「これが、ばあちゃんの分」と言って渡すと「ほぅ〜、こんなん、よばれますのん?」と言う。「お茶、熱いよ」と言うのに平気で飲む。私は「いうこときかないのよ」と婦人部長さんに言ってみる。「皆さん、ばあちゃんと同時に食べ終わってくださいね」と言い置いて私は部屋を出た。
 しばらくして「もう帰ります。ご馳走様」と言って役員さんは帰られた。早いなぁ〜。