べこ

 ばあちゃんがデイに行ってから、ばあちゃんの里へ牛ふんをもらいに行った。牛の子供がいた。みんなめすだ。乳牛(ちちうし)だから、おすは要らないのだ!耳に番号札がついている。生まれた日も書いてある。3月24日生まれの子がいた。4月生まれのもいる。顔が違うし、性格も違う。大胆に探りにくるのも、臆病なのもいる。手を出すと、なめに来る。まるで母牛のおっぱいを求めるようになめる。子牛の飲むのは「しんミルク」と言って、紙の袋に入った粉ミルクだ。甘いにおいがした。
 私が子供の頃は、里に行くと、搾った牛乳を飲ませてくれた。1升瓶に入れてもらって持って帰り、鍋で煮てから飲んだ。まわりに泡が出て、沸騰する直前に火を止めるのがこつだ。おいしかった。