畑からレストランへ

 畑に着くと、恵子さんが来られた。「電話をもらって、猪を見たいと思ってすぐに出てきたのに、もう家は空っぽでしたね」と言う。それは残念、もう持って帰ったわ。
 まず、恵子さんとご主人とばあちゃんと私で、レストラン我夢に行く。本日のランチはとんかつで、たっぷりすぎて「もう、ばあちゃん、食べられないよ」と言うと、残りをお弁当パックにしてくれた。夕食に食べさせよう。うれし〜。
 今日のばあちゃんは「車、通っとぅよ」「あれ、あそこ、男のひと、上がって行った...」私が「うるさいよ。静かにして!」と言うと、恵子さんが「右側のガラスに、道路の車が映っているのよ。おばあちゃんはそれを見てるのよ」と言う。なるほど。でも、2ヶ月前に来たときは、こんなにしゃべらなかった。だから、おかしくなってきてると思う。
 また車に乗せてもらって、畑にもどった。弁慶草を切ってあげる。ばあちゃんは「それは、それは...えらい、すんません」とデイ気分だ。車も「お迎えの車」感覚だ。畑に着いても、乗っていればいいのに、下りてくる。仕事に没頭してくれれば、ほっといて家に帰れるのに、仕事はしたくないらしく、金魚のフンみたいに恵子さんについている。私に近寄ると「仕事、せい」と言われるので、離れているのは、半分、わかっているの?「この人は叱らない」とカンでわかるから、恵子さんたちには甘える。また車に乗せてもらって帰ってきた。恵子さんは「たたかうおばあちゃん」の読者なので、たまっていた3冊分を渡す。「ばあちゃん、昼寝、しなさい」と言って、布団に入れても寝てくれない。草引きをしていないので、くたびれていないのだ。