お風呂で

 ばあちゃんが来たので晩ご飯とお風呂。お風呂の中で「あ〜、けっこやなぁ。ええお湯やな〜」と言っている。誰か、お風呂にいるの?ばあちゃんにだけ、見える人?
 こうやって死ぬまで独り言を言うのだろうか?やがて、言わなくなる日がくるのだろうか?
 私は「ぼけないための生活習慣」と訊かれると「ばあちゃんから学ぶ教訓。目と耳と歯を治療する。感動と感謝の心を持つ」と言ってきた。でも、このように「お経のように」「あ〜、けっこやな」「あ〜、ありがと」と言われても、ちっとも嬉しくない。「にくたらしい姑だったのに『ありがとう』と言ってくれるようになって、介護の日々が報われた」という報告を読むと「よかったね」と思うが、それとこれとは違う。ばあちゃんが言っているのを聞いても、信じられない。
「頭がいんでもた」なら、見えるのは西方浄土のお釈迦様だろうか?出来すぎか?今度、元お坊さんの友達に訊いてみよう。