初詣

 ばあちゃんはほっておくと9時ごろまでは寝る。寝ている間に初詣に行く。6時3分に田んぼ道の駐車場に着く。歩くにも暗い。洞窟探検用のヘッドランプをつけて行く。ただの、しゃれ。笑えばいい。「初日の出が見えるかな?7時ごろやろ?」と言うと「7時10分を過ぎるやろ?」と言われた。当番の宮守さんはかいがいしく世話をしてくれるが、3軒ずつで9年に1回まわってくる。前回のことは忘れているし、人も代替わりして、若者になっているから「どうしたらいい?」状態になる。それなら去年のうちに「来年は当番になるから頑張らなくちゃ」と思って見学したらよいのだ。その気になって見ていないと、覚えられないし、創意工夫もできない。
 村の人も新しい住宅の人も次々にお参りに来た。年に一度の出会いだから、子ども達の成長に目を見張り「え〜っ!大きぃなったな〜!」と楽しいではないか。7時過ぎに私と次男が帰った。ばあちゃんはまだ寝ていた。
 起こしておせち(っぽいの)を見せると「ほう〜、ごっつぉやな」と言う。「お正月よ。あけましておめでとう、言うて」と言うと真似をする。でも、意味はわからないのよ、もちろん。