「<老い>の現在進行形」 吉本隆明×三好春樹著 2000年

 三好さんが「介護の職人吉本隆明に会いに行く」とある。じつはまだ27ページを読んでいる。
 (1)「実感的な老人問題」の最初に「老人と中学生は向き合える」と書いてある。吉本さんは「大学の先生が定年になると、中学の先生をするのが一番いい」と言われる。「小学校の5・6年生から中学生が一番老人となじみやすい」そうだ。私の中学の元担任も「今78歳だ」と言いながら、月に1回か2回の中学勤務を楽しんでおられる。生徒は「○△じい」と呼んでいるらしい。いや、陰で呼んでいるだけかも知れない。私もこのごろは大胆になってきて、つきそいで交流クラスに行くと「普通」の子にも声をかけたり、教えてあげたりするようになってきた。これからどこまで大胆になれるか、ちょっとこわい。
 「老人ホームと幼稚園や保育園を隣接して建てろ」もよいと思う。
 「全室個室を売り物にしている特養ホームはあかん」というのも賛成だ。ばあちゃんは今日は家にいて「どないしますのん?あ〜、けっこ、けっこ」と言いながら私がパソコンをしている後ろに来る。テーブルの本を何度手に取り「野菜の輪作栽培。あ〜、けっこ、けっこ」つい何年か前まで「自分で野菜栽培をしていた」ことなど、どこかへ置いてきてしまい、一人ではいられないので「誰か、おってか?」と思いながらやってくる。