「NHKの取材と“人”の輪」

「NHKの遠山と申します」との電話をいただいたのが、去年の11月半ば。どうして?つどい場さくらちゃんに取材?
 昨年の7月、朝日新聞に記事を書いて下さった記者さんが、松本一生先生を紹介してくださり、10月に松本先生の研修会を開きました。その松本先生が認知症の「介護者」へのサポートというテーマでNHKに、ご紹介くださって、お電話から1週間後に、数名の介護者の方々に取材に来られ、その中から、ご本人と介護者の出演していただける方が決まり、撮影が1月25日〜31日の1週間ありました。遠山ディレクター、カメラマン、音声・・・3人の30代のいい男達が尼崎のビジネスホテルに泊まり込みスタート!
 ご本人の様子を撮るには、カメラを据え、“その時”にスイッチを入れてもらうー翌日、フィルムを入れ替えて・・・お昼ご飯は、つどい場さくらちゃんで食べていただく。
26日には、3人は「さくら会」の定例会に出席して下さり、少しは、介護者の想いを感じていただけたようです。つどい場さくらちゃんの様子も撮影したいととのことで、介護者、介護者OB、ボランティアなど、いつもの雑談風景を撮影されました。カメラがまわっていても、さすがさくら会メンバー、日頃の想いや疑問など、ぶつけ合い、ヒートアップ!受容の糸口を見つけ、つどい場の役目が描き出せたら大成功ですが...
 撮影の終了後、遠山ディレクターに逆インタビューを試みました。印象に残った言葉を紹介します。
認知症の方とちゃんと対面したのははじめてー周辺症状の実態は見ていないかもしれないけど、やっぱり、いいなぁ、穏やかで。娘さんが仰っていた「母が認知症になって良かったかもしれない」−少しはわかったような気がする、ただ、あれがずーっと続くとつらいだろうな。
+自分が認知症になった場合、何が起きても心の許容量が必要・・何につけても“家族”が大事だなぁ。今の社会では難しくなったけど、じいちゃん・ばあちゃん・父さん・母さん・子供たちが 老いてゆくさまをちゃんとみて、支えることをちゃんとみて、本人も支えられるーそういうものの大切さー伝えるべきだなぁ。
認知症のケアは感性の教育のような気がする、今は個人的楽しみの中で生きている・・・でも、自分ではどうしようもない“しがらみ”を受け入れて“人間”を受け入れてお母さんが認知症ー仕事 をやめてーすごいやさしさ。自分の人生を制限されているのを受け入れるー大事。個人の自己実現バンザイー行過ぎて自分勝手になって「家族」「ご近所」が大切にされない風潮。私はマメに実家にかえるようにしてます。<実家がリゾート>です。
+職業倫理が優先で、家族がないがしろ・・・バランス感覚ーもうちょっとゆるめられるまわりも大事。家族が自然な営みの中で排泄介助も普通にしていたじゃないか、効率ー経済原則、仕事だけでしようとしている・・・“こころ”を取り戻さないと。“支え合い”を取り戻さないと。
 
 1週間がかりの取材、撮影もテレビの画面に映るのは、“7分50秒”ですって!是非、まばたきなく(すぐ終わりそう)ご覧くださいね。