天井の張替え

 いよいよ工事にかかる。今日は若い大工さんが台所の天井のペンキをぬってくれる。もう一人の大工さんは床の間の天井板をはずし、張りかえる。
 ばあちゃんを早めに起こして「土曜日デイ」に行くまでに身支度をすませた。ばあちゃんは「どないしますのん?」と言いながら、大工さんのワゴン車を見ていたが、引きとめ、9時過ぎにやっとデイに行った。
 ばあちゃんが4時に帰ってきたときは、あらかたすんで、片付ける頃だった。昨日にも増して大声で「あ〜あ〜」言いながら家に入る。「ななくさデイ」では木・金と入浴したが、今日は入らない。「ななくさデイ」は定員10名で実際にはそれ以下の人数だから、ばあちゃんを窓際の席に「隔離」し、本を読んでいればおとなしく昼まで過せる。「土曜日デイ」は人数が多いだけでも、刺激が強すぎる。これがばあちゃんの興奮の原因だ。
「あっこ、来とってやで」と言う。人が気になるのは「一緒におらなあかん」外に止めているワゴンをみつけ「乗らな、ほっとかれる」と不安になる。もう「半狂乱」で「あっち、おってやで」と言う。「見ておいで」と言うと、片づけ中の部屋を見て、あちこち、ついて歩き...しまいに、ばあちゃんの部屋に連れて入り、半間の縁側に一緒に入り、障子を閉めて向き合い「ここ、ばあちゃんの家。どこにも行かないよ」と落ちつかせることにした。