畑に行く

 冬物はとりこんで、洗った物は干し終わった。
 ばあちゃんを畑に連れ出す。「何、しますねん?」と言う。「草引き」だ。ふと見ると、畝の前には進まず、後ろに行って平らなところの草を引いている。そんなところは機械で刈る。「こっちへ来て、まっすぐ前に引いて」と言って、自分の仕事に戻り、振り返るとまた戻っている。よっぽど畝が嫌いらしい。「まっすぐ」と言うと、次はラッキョウの畝を引き出した。畝の上に乗り出すようにして、向こう側まで引いている。「引いた草は畝に上げて」と言うのに、また谷に落としたり、下の通路の草むらに落としたりしている。よう、こんなに、逆、逆、ばかりできるねぇ...あきれる。
 「帰ろう」と言うと「そこ、引きます」池の水道で手を洗い、杖をついて帰る。私が小屋の鍵をかけに行って戻ると、しゃがみこんで坂道の真ん中の草を引いている。道の草なんか、引かなくていい。「道がずれる」と言ってやってもわかるわけないか?とにかく聞く耳を持たない。ガチガチのトゲトゲのハリネズミ状態だ。
 しかたなく、稲の苗箱に水をかけるときは、ばあちゃんの手をつないでいた。やれやれ。
 でも、疲れたか、お風呂に入れるとすぐに寝てくれた。私も疲れたよ〜。夫だけ元気で遊びに行った。