墓参りで、怒るか?

 昼からばあちゃんを起こし、ご飯を食べさせ、墓参りに行った。
 まず、畑に行って、しきみを取る。ばあちゃんは見ていても、私が何をしているかが、わからない。そこで「おしっこ」と言って私の気を引く、常套手段。「墓参りよ」と言って歩いていても、行く先がわからないので、最初は ふにゃふにゃ〜。次に「歩かれしまへん、腰痛い、休みます」の連発である。急な坂道でいやになったらしい。
 墓を過ぎたところの人に用事があったのだ。幸い3人組で話をしている。私が先に近づくと、遅れて来たばあちゃんは、道端の溝にしゃがみこんだ。しゃがむと必ず、横の草を引くからあかん。立たせて、連れて行った。
 ばあちゃんに話しかける3人に怒るのだ。「笑い事やおまへん!」と言う。ばあちゃんには相手の笑顔が通じない。皆、ぼけばあちゃんは知っていても、怒りんぼは知らないのでびっくり...「その人その人、出方が違うのね」と言う。そうね、ぼけの現れかたは違うわね。
 次にもどって墓に行くのだが、ばあちゃんはついてこない。無理やり連れて行き、ベンチに座らせる。まだ怒っている。私が線香をつけたころ、やっと動く気になった。線香を渡したが、なかなか立てられず、手を合わせて拝むことも忘れていた。なんでや?お経は上げるのに...夕食前の1日1回になってしまったが、積み重ねで維持できているのだなあ。
 帰りは「かんにんしておくなはれ、いのかれしまへん」と言いながら帰る。あはは〜。ほっておくしかない。そのくせ、足は速い、速い。坂道を下るんだもんね。