鍵の修理

 ばあちゃんがドアノブをガチャガチャして、ねじ山がゆるみ、鍵はドアノブごとはずしてあった。いつもの大工さんたち二人組が仕事の帰りに修理に寄ってくれた。「やっぱりやったか〜!いつか壊すだろうとは思ってた」と笑う。そう、笑ってごまかせ、介護家族。二人でなにやら相談し「応急処置しとく。また今度、壊れないように作りなおす」と言う。いつもこんな変な理由で呼び出され、困ったもんだ。でもこれから要介護者は増えていくのだ。これもいい経験だと思ってちょうだい。「ばあちゃんは認知症の歩く広告塔」
 終わって、ばあちゃんも入れて4人でジュースを飲む。ばあちゃんは「おぅ〜、こんなん、もらいますのん?」とデイサービス気分だ。お菓子を出すと、手を出してくる。饅頭を手でちぎって、ちびちびとみみっちく食べるから、そこらへん、粉が飛び散る。おやつも取り合いした幼い日々に戻ってしまったのだろうか?
 またまた「ばあちゃん紙芝居」をしてみる。一枚目の「畑のばあちゃん」の写真で「これ、誰?」「%&#$」わからないらしい。2枚目の「応接間のばあちゃん」は「わたしです」3枚目の「応接間のすももちゃん」は「わたしです」「これ、ばあちゃん?」「はぁ」あ〜、あかんわ〜。