「記憶。この不思議な仕組み」朝日新聞・日曜ナントカ学・9月30日

 前向性健忘というのは新しい経験や知識を保つことができない。ばあちゃんがぼけ始めのころ「ご飯、食べてない」と言っていたのは「ご飯を食べたことを忘れた」のではなく、はじめから「今朝、食事をした」という新しい出来事を覚えられないのだと書いてある。それはそれは知らなかった。「覚えても忘れる」と思っていたが「もとから覚えられない」なら違う対応になる。今はその都度「食べ方はこうする」と教えながらつきあっている。
 逆向性健忘は一度覚えた過去の出来事を忘れることだ。「ここはどこ?私は誰?」がこれにあたり、娘の顔を忘れる。