20年先を行く先輩

 昼ご飯のときに電話がかかってきた。「どうしてる?わたし、もう80歳だよ」と言われる。県下の遠い地区にお住まいの先生で「研究会」で知り合って、いろいろ教えていただいた。「まっすぐな」方だった。今の社会のありようを憂えておられて「勉強しなくちゃだめだよ」と言われる。先輩はいつも変わらない。「正しいことをひとに訴えるときは、優しく言わないとだめだよ。偉い先生は、いつも優しくものを言われたよ」と私も尊敬していた先輩の先生方の名前をあげられた。「ひとの心の痛みがわかる先生が少なくなったよ」とも言われた。
 先輩と話していると勇気がわいてくる。涙が出そうになった。「頑張れよ」と言われた。年賀状を書く頃になると、いろいろ思い出して、ふと「電話してみよう」と思われたのかも知れない。愛情をたっぷり感じた。