阿寒湖着 ホテルエメラルド   予定は11時から2時30分まで阿寒湖

 11時54分、右手に阿寒湖が見えてきた。好天気だ。「まりもちゃんに勝った!」とまるちゃん。
「ホテルエメラルド」でトイレタイムと昼食である。豪華だ。天井が高い。あはは、いなかもんみたいな、感心のしかたね。
 「女優」ちゃんのママの車椅子を押してあげる。ホテルなら平坦だから乗っている人も安心だ。「私が押してあげるから、あなたはお母さんが見える位置を歩いて」と言うと、女優ちゃんは右手の前方を歩く。お母さんの顔を見ていないし、近寄りすぎて女優ちゃんの足を轢きそうになる。「もう少し横に寄って」と言うとわかったみたい。
 ひとに車椅子を押してもらったときに、自分はどの位置に立つか、それも知ってもらいたい。私達「特別支援教育」のいうところの「母子分離」の一歩だ。これもお母さんをショートステイに預けるための貴重な一歩。いつもいつも一緒だと自分が倒れたときのことが心配になる。ステイも練習して使えるようになるには、自分が我慢したり辛抱することも必要だよ。
 手を離し、目は離さない。はらはらするし、介護スタッフのやることが気にいらないこともあるだろう。でも、じっと我慢して、冷静に判断し、言うべきことは言い、お互いの理解を深め、少しずつでも良い方向に向いていくように日々を重ねていく。
 今や、うちのばあちゃんは月の半分をステイに行く。助かること。ステイ中の機能低下は心配だけれど、ステイの必要性には勝てず、見てみぬふりをする。
 トイレに行く。女優ちゃんのママもそうだが、車椅子を降りて歩いてトイレに入れる人もいる。車椅子も団体であれば、奥さんがトイレに入っている間は、外で待つご主人の横にいてあげたり、お互い融通しあっている。みんなの車椅子を押してあげることができなかったし、プロのスタッフと参加しておられる人の時には、ついつい、押してあげなくてもいいか、と思ったり、食事もメンバーが固定すると、せっかくの旅仲間なのに、まったく言葉を交わさない人がいたりする。ちょっとそこまで気がまわらなかったので、あとで思うと申し訳なかったかな。残念かな。