講演「今、介護現場で看護職に求められるもの」

 講演は夜6時30分から西宮市民会館であった。初対面の人が多かったのは、看護職の人だったのだろう。コピーやさんで「たたかうおばあちゃん・ベターケア掲載」を50部作って行ったら、17〜8部配っていたから。
 講師は十倉久美子さん。会場に入ると梅ちゃんが手招きして紹介してくださった。「おもいやり訪問看護ステーション」となっている。
 このごろの講師は親切だ。パワーポイントというの?スクリーンにどんどん出るようになっていて、それをまたコピーして「資料」として配ってくださる。今日も1ページに「左が画面、右はメモ用に線が7本引いてある」これが3枚分を1ページにしてそれをA4に印刷して7ページまである。21項目あるわけだ。裏は白紙だから、どれだけ講師がしゃべってもメモ欄に不足することがない。赤ペンと青ペンを使っていろいろ書き込んであとから黒田さんと梅ちゃんに見てもらった。「こうやってメモして講演記録を書くのよ」
 全部を書く暇が無い。
1.退院時の家族の悩み、不安や葛藤・・・十倉さんが勤める訪問看護ステーションのお医者さんは西村先生である。梅ちゃんの「グループホームにしむら」の経営者だ。がんで在宅医療を受ける人を訪問しておられる。
2.終末期を家で過ごすための条件・・・患者自身が強く在宅を希望する。家族が納得し、受容する。医療や看護のサポートがある。苦痛の緩和が実現している。一定以上の居住環境と経済状態がある。いざという時の受け入れ施設がある。同居していない親族の強い反対がない。
「帰ったら、わがまま気まま、世話が大変。でも時間がないんですよ。(余命○ヶ月だから)わがまま、言えなくなるんですよ。夜、寝られなかったら、昼、一緒に寝ましょう」(患者は昼は歩けないのに、夜間せん妄で、おーい、おーいと叫んだり、けとばしたり、かばん持って玄関に行ったりするので、世話をする人が眠れない)こうして「準備万端整えずとも、十分なことをしようと思わないで帰ってから困ることがあればサポートするから」といって在宅にふみきる。それでも、家族は疲れ、目の下にくまができる。患者の「世話かけてすまんな」の一言に「もうちょっとだけ頑張ります」もうちょっと、もうちょっと、とくりかえし、最期までいってしまう。半年も1年もないんだ。その場その場が戦争で、受容も納得もないが、亡くなったあと、それが心の支えになる。
3.かかりつけ医機能・・・24時間対応。
 シニア用携帯電話を購入し(1)が先生、(2)が十倉さんに設定し、患者本人に渡す。「家人が寝ていても電話してね」と言っておく。夜中でも行く。「来てもらったから大丈夫」と安心してもらう。夜中に「点滴落ちません」という電話があったら行く。新しいトラブルのとき、電話では指示しない。行って見て話せばわかる。  こういう話を当たり前のようにされるとすごいなぁと思ってしまう。うちのまわりではきかない話だ。
4.病診連携 病院からかかりつけ医へ紹介
5.病診連携 かかりつけ医から病院へ紹介
6.退院前の患者・家族の不安
7.患者、家族の気持ちは常に揺れ動く
8.在宅緩和ケアの長所・・・住み慣れた自宅で自分のペースで生活できる。患者は家族とともに過ごすことで家族の中の自分の役割を保ち果たすことができる。介護の中心は家族であり、入院施設に比べて患者の意思を最大限尊重できる。
9.在宅緩和ケアの短所・・・病状の急変や症状の悪化に迅速に対応することが困難なことがある。家族に介護の肉体的・精神的負担がかかり、過大となりやすい。介護保険を利用できない年齢では、介護用品などの療養に必要な器具や設備を揃えるなどの経済的な負担が伴う。
10.退院時合同カンファレンス・・・・病院(主治医・看護師)患者と家族、在宅医療チーム(在宅介護支援センター職員・ケアマネージャー・かかりつけ医・訪問看護ステーションの担当者)
11.在宅ホスピスケアへの導入
12.患者や介護者のアセスメント
13.在宅ケア計画・・・医師や看護師の訪問の頻度。訪問介護(ヘルパーや入浴)利用。ベッドやエアマット。ポータブルトイレなどの設置。酸素や吸引器。中心静脈セット。
14.不安を取り除くこつ・・・日中に患者、家族の訴えを十分に聞き取り、対応を考え、共有して、夜間に急激な変化が起こらないように対処する。もしくは対処方法を家族に伝えておく。今後どのような症状が起こる可能性があるのか、そのときどのように対応するといいのか、を可能な限り伝えておく。必要に応じて、痛み止めや解熱剤、吐き気止め、抗生剤などの薬剤を前もって患者宅に用意しておく。夜間、休日でもいつでも医師または看護師が対応できることを伝えておく。
15.在宅医療 導入期
16.在宅医療 安定期
17.在宅医療 不安定期
18.終末期に伴う症状
19.揺れ動く患者、家族の心
20.寄り添いながら、伴走・・・在宅ケアが長期になって家族が介護に疲れた場合、在宅の継続、一時的な入院、ホスピスの選択、いつでも変更可能であることを患者・家族に伝えておく。