びっくりした(電車の中からメールで送信)

 写真を受け取って駅に向かうときのこと。
 上下のエスカレーターを左に見ながら歩いていたら、おりてきた女性が突然、前向きにころんだ。スローモーションのようにころんだ。「危ない!まきこまれないうちに」それしか考えず、手を引っ張った。「大丈夫?大丈夫?」と言いながら引っ張った。なんとか、エスカレーターを離れ。こちらのフロアに来てもらえた。散らばった買い物も拾ってあげた。レタスやら袋入りのお菓子やら、いろいろだったのでひまがかかった。幸い、後ろから降りるひとがなくて、将棋倒しにならなくてすんだ。
 後ろでポケットティッシュを配っていたおばちゃんが来てくれた。「ふらっとしたの?」と訊かれたので、おばちゃんは、その人が貧血か何かで倒れるのをずっと見ていたわけだ。私はこける場面だけ見ていた。目の付け所が違う。その人は「そうです」と言っていた。もう大丈夫だろう。おばちゃんが親切なので「私、電車に乗ります」と言ってエスカレーターに乗った。あとはおばちゃんに任せた。
 私は電車に乗った。
 こわかったよ〜。車中でメールを書く今頃、思う。こわかった。とりあえず、助けなきゃと思って手を出したが、うまくできてよかった。着ている服が巻き込まれても大怪我をする。とっさに動けた自分をほめたいと思う。「つどい場さくらちゃんの旅」のおかげだ。
 そして私も気をつけねば、と思う。「年だ」って言われそうだ。