「睡眠障害」岸川先生の講演・つづき

(問い)夜になるとごそごそ動いていて寝てくれない。昼はうとうとしている。
 デイサービスに行って昼起きててくれたら、疲れて寝てくれると思っていたのに、時々そうなるだけで、かえって興奮して動き回ってることもある。
 どうしたらよいの?
  《これは昼夜逆転というよりは睡眠障害です》
 
(答え)睡眠・覚醒リズムの障害(睡眠障害
 脳機能障害の一つと考える。《脳障害があれば必ず出る》
  昼起きていれば疲れて夜眠れるようになるという考えは、障害のない人の押しつけ。夜寝てもらうことで、睡眠・覚醒のリズムが作りやすくなる。《夜寝てもらうのが先。薬を使う。ためらわず使う》
  パーキンソン病、レビー小体病では特に重要な障害の一つ。
 アルツハイマー病や血管性認知症でもよく見られる。
 うつ・不安障害でも必発する。
 《脳の機能障害ではないので小さい字で書くが》排尿障害が原因のこともある。《夜間頻尿。男の人に多い前立腺肥大症なら泌尿科に行ってください》

*ふらつき・せん妄・パーキンソン症状などの副作用が少なく、原因と生活環境にあった薬を選び、まず睡眠を確保する。
 それができた後、昼の活動量を増やして覚醒・睡眠のリズムをしっかりしたものにする。
 夜間の睡眠障害は患者さん・介護者双方のQOLを著しく低下させる。
 適切な薬物療法を受けることをためらいすぎない方がよい。
 《精神科の医者の紹介で薬を使うことになりますが、これはこわい。小声で言います。医者の責任だ。いいかげんな医者が多い。老人には睡眠導入剤は使わないのです。効き目が短時間で切れて、切れたときにせん妄が出る。ハルシオンは怖い薬です。僕は2年で使うのをやめました。マイスリーもせん妄が出ます。もっと効き目の長いものを選ぶべきです。皆さんは勉強して!これは声を大!自己防衛してください。ハルシオンなどの怖い薬を使う医者を信用しないように!大体、僕の講演を聞いてくれる人は使わないのですが、聞いてくれる人が少ないのです。医師会で講演すると一般の人が来てくれて、医者が来てくれないのです》

{ここで3時25分}「何時までですか?」「あと5分」