干し柿

 学校で干し柿を作った。
 教室が2つあり、真ん中が半分サイズの職員室だ。そこへ教室の大きなテーブルを持ち込み準備完了。まず、柿の首のところ、ヘタの際を私が包丁でむいた。包丁は私しか使わない。安全第一。それを大きいボールに入れる。生徒は1つずつ持って、ピーラーで皮をむく。利き手にピーラー、もう片方に柿を持って、くるくる回しながら縦にむく。じゃが芋とおんなじだ。
 2年続けて柿が無かったので、生徒は皆、初体験だ。中には家でやったことがある、という子もいる。じゃが芋と同じなら上手にできる子もいる。大勢が作業をすると危険なので、先生は2人から4人ぐらいを順に呼んで教えていく。ビニール紐に通すのだが、ゆるゆる紐で通すとすぐに落ちそうだ。先生は「ホッチキスで柿の上下を止めよう」と言われる。やっているうち生徒が「これはうまいこといくわ。先生、偉いわ。ギネスにのるかな?」と言う。何でもギネスに載るわけではない。「そんな甘いもんと違うで」と言ってみたが、気にいったらしく何度も言っていた。とにかくやつらはしつこい。しつこいかわりに「これ、私、全部むく」と言ってボールをかかえこんでしまう子もいるから作業ははかどる。紐通し専門の子もいる。
 干しに行く。校舎の1階、被服室の前の軒下に吊す。数学を教えている先生が吊ってくださった。200個出来上がり。写真もとってもらったし、校長先生にも見てもらったし...出来上がるまで待てるかな?
 待てる。むく前の柿に手を出した子がいて、先生に「味見」と言って皮をもらい、口に入れた。皆が見守る...渋い!顔!あはは、あはは、これで誰も食べない。じっと待つ。
 畑には苺が植えられていたし、水をかける子もいたし、今日は玉葱の苗を持参した。友達の苗は大きくてすぐにでも大きくなりそうだ。