「非行から見えてくるもの1・2」藤川教授の紙上特別講義 朝日新聞12月22日・29日

 「脳機能の障害から『反省』の難しい子がいる。私たちの理解が必要です」
 藤川洋子さんは京都ノートルダム女子大教授で臨床心理士だそうだ。家庭裁判所調査官として大阪、京都、東京など各地で勤務されていた。
 藤川教授は飛行の原因を 1.家庭崩壊や被差別体験に伴う社会的要因 2.家庭での虐待、学校でのいじめによる心理的要因 3.脳機能の障害による生物的要因に分類されている。
 3.の脳機能障害による発達障害を持つ子供は「これを言うと嫌われるかも知れない」とか「これをすると嫌がられるかも知れない」というのがない。思いついたら言ってしまうし、行動してしまう。法律にふれることをしてしまっても「どう思うか?」と聞かれれば、思ったままを口にするので、障がいに対する理解のない人は「反省してないのではないか?」と思ってしまう。他人が期待するような「反省」ができないし、まして「反省」を言葉で表現できないのが「障がい」なのだ。
 藤川教授は「反省なくても更正する」という道を選ぶ、と言われている。どう考えるのが正しいか、どう行動するかを、一つずつ順を追って教えていく。