「心の病は脳の傷」うつ廟・統合失調症・認知症が治る 著・田辺功 話す人・松澤大樹 西村書店 2008年

1.私たち、治ります
2.アッと驚く松澤説
3.「松澤の断層法」とは
4.こころの傷はみな同じ
5.あいまい診断から科学へ
6.治療はどうする?
7.こんなに治るって感激
8.若者のこころの暴走
9.PET健診の生みの親
 これも新聞広告。注文して送ってもらって2冊を同時に読めば、よくわかる。
 「統合失調症」とはどういう病気なのか?がよくわからなかった。昔「きちがい」と呼ばれていたのも、どこがどう「気がちがう」のかがわからないまま、うちの田んぼの近くに「精神病院」がある、そういうところに暮らしている。どうやって治療しているのか、わからない。「ばあちゃんが怒るのに、効く薬があるから、精神科に行ってみたら?」しか言われなかった。
 でも、同時に読んでわかったことは、カウンセリングだけではだめなんだ。松澤さんは東北大学放射線科医だそうだ。X線CT、MRI検査、PETの専門家だ。うつ病になると、脳に傷ができて、MRIで撮影するとはっきりと写る。薬を飲ませて生活指導をする。適切な栄養と運動で治っていくと、傷が小さくなる。
 「うつ廟」「統合失調症」「アルツハイマー病」がこんなにわかる本は初めてだ。皆さんも自分で読んでみてください。治療して治っていくと、血液検査とMRI画像ではっきりわかる。見せながら説明をして「治るよ。治そう」と患者本人に思ってもらうことこそ、治療の出発だ。本人が「薬を飲もう、栄養をとろう、運動をしよう」と思わないと治らない。それを強く感じた。
 松澤先生は「私の治療法は、結局は神経幹細胞による再生医療なんだ」と強調されているそうだ。脳細胞も再生するのだ。