「奇跡のリンゴ」石川拓治著  幻冬舎 2008年

 木村秋則さんはリンゴを作っている。2006年12月7日にNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に紹介されたそうだ。
 無農薬でリンゴを作るというのは、野菜を作るのとはまったく違う困難さなのだそうだ。野生のリンゴは大昔からあるが、小さくて苦味が強いらしい。それを品種改良したのが今のリンゴである。野生の木は強いが、改良したものは病害虫に弱い。農薬無しで作る事はできないらしい。
 それを木村さんは「できるはずだ」と思ってやり始めたのだから、大変だった。貧乏のどん底になる。奇想天外、並みの人間のやることではない。木村さんの魅力は底抜けの明るさにあるらしい。読めば元気の出る本だ。一晩で読める。
 だからと言って、私も無農薬で米を作ろうとか野菜を作ろうとは思えない。元々米は必要最低限の除草剤しか使っていない。殺虫剤は田植え前の育苗箱にかける「イネミズゾウムシ除け」の薬を1回だけだ。