裸足で毛布を取り込みに... 

 天気が悪いので、旅行中の洗濯物が乾かない。取り込んでいるときのこと、ばあちゃんが自分の部屋の縁側のガラス戸を開けてこちらを覗いた。
 温室の毛布を昼間ははずして、ベランダに干していた。ばあちゃんはみつけて縁側からおりようとしている。何でもいい、見えたものを「しもとこう」(しまっておこう)と思うのだ。ばあちゃんの言っていた「しまいこと」である。夕方になると収納しておかねば誰かに盗られる、という妄想だ。
 ばあちゃんと目があうと、企んでいることはわかる。どこへなおすか?もちろん自分の縁側に取り込む。それが自分が使っている毛布か、とか、綺麗か、とか、関係ないもんね。汚れているか?これは温室にかける毛布だからどろどろだ、なんて考えないもんね。
 あ!おりてきた。裸足だ。止めねばなるまい。
 洗濯物はほっておいて、ばあちゃんに近づき、縁側に誘導し、私も入る。中から鍵をかけたら大丈夫。ばあちゃんをトイレに連れて行く。