ばあちゃんが死んだあと

 ヘルパーさんが訊く。「ばあちゃんば亡くなったあとは、介護の仕事をするんですか?」私が「絶対!しない!」と言うと、笑って「そんなこと言う人、初めて見ました」と言う。「私、としよりは嫌い。体をさわるのは嫌い。さわられるのは嫌い。絶対!しない!」
 ヘルパーさんは「まるちゃんのように介護の仕事をなさるのかと思いました」と言う。まるちゃんは今「介護」をしていない。「介護する人を支えている」だけだ。

 ケアマネさんも訊く。「ばあちゃんが亡くなったあと、すももさんは何をするんですか?」「百姓よ」「だったら、今と同じじゃないですか?」そうよ。それのどこが悪い?だって、もう同級生はみんな「定年退職」って言ってるのよ。私だけが、ばあちゃんの亡き後「介護」を仕事に選ぶ必要がある?あるなら、介護と同時に始めてるわ。
 「ばあちゃんがいなくなっても『たたかうおばあちゃん』は書くんですか?」と訊く。「書くだろうね」話題はあるだろう。「介護をしないのに、どうして介護の講座に出るんですか?」と訊く。「おもしろいから」それだけ?知らないから、おもしろいから、だろうね。
 
 本棚を見てごらん。介護だけではない。今朝届いたばかりの写真集「もう一つの甲子園」前に買った「西宮の今昔」おもしろければ、いろいろ買うし、講演だって今は「介護」に行くが、面白ければ他のテーマも行く。

 人生は短い。好きなことをしなくちゃあ。