「介護保険は老いを守るか」を読んで

 介護保険が始まったのは、2000年4月1日だったそうだ。「前日に北海道虻他町で有珠山が爆発した」とあって、それはよく覚えている。次男がスキー修学旅行に行った場所だからだ。
 ばあちゃんはその前から「おかしい」状態だったので、介護保険の始まった年の夏に認定を受け、12月からデイサービスに行き始めた。介護保険の最初から使わせてもらった。亡くなるまで9年近く、デイサービスに通った。
 3年毎の見直しがあり、2006年に「適正化」されたということで「認定されにくい」とか「同居家族がいると生活援助が利用できない」とか、人からは聞いていたが、ばあちゃんには関係がなかった。もう既に認定されて、サービスを利用できていたし、「重度」になりつつあったからだ。ばあちゃんは運がよかったのだ。畑の隣に「総合福祉センター」ができたときから、ばあちゃんは「いつでも利用できる」環境にあったし、介護保険も「谷間にはまって利用できない」どころか「スシスイ通過して問題ない」のだ。ケアマネさんや施設の職員さんともお医者さんとも良い関係が築けていた。困ったことはその都度話し合って、時間がかかってもうまく解決してきた。
 この本を読み始めて、それはばあちゃんだけだった、とわかったら、辛くて読みたくなくなった。「ひどい!」例がいっぱいあった。
 聞いていたのだ。聞いて「それはひどい!」と怒ったりしたが、「それはその施設とか、職員個人の問題じゃないの?」とか思ったのだ。そうではなかった。「介護保険」自体に問題がある。というか「すきま」がある。それはどこか、どこをなおすか、私たちは知らなくては、と思う。だから、皆さんも読んでください。私ももう少し、勉強してまた書きます。