「親の介護・子どもの人生・・・介護をする自分自身はどう生きるのか」

ベターケア49号・特集2・対談 野田明宏・久田恵    2010.5.5(水)    
 紹介の文章は「親を介護する子ども」としての人生を20年以上続けてきた久田さん。まだ母の介護で奮戦まっ最中の野田さん。憧れの先輩作家を訪ねて、親を見送る子どもの生き方を語る二人の対話はファンタスティック! 小見出しを見ると「褒められる介護を受ける当人の辛さ」「介護うつ予備軍」「介護者がしたいこと、介護される人が思うこと」「職員ができないことを家族がする」となっていて、野田さんは終わり近くに「そうかあ。僕もいろいろな人と介護について話してきましたけど、久田さんの意見って新鮮だなあ...そうかぁ、ただねぇ」
という感想なのだ。久田さんの意見のどこが新鮮なの?「子どもは自分自身の人生を生きて」というのは私から見ると普通。私もばあちゃんはデイサービスとショートステイに預け、百姓と好きなことをしてきた。「介護」だけの人生は普通じゃない。まして「介護のために離職」だけはしないで!と言いたい。離職して収入がなくなるとそのときも、親が死んだあとからも困るのだ。自分は働いて納税者でいて!と言いたい。
野田さんが自分のお母さんのことを「認知症だし、もう寝たきりで、体も拘縮してて、なにが嬉しいとか楽しいとかはないわけですよね」と言うと、久田さんは「そんなことないわ、人間死ぬまで、嬉しいとか、気持ちよくありたいとかあるじゃないですか。気持ちのいい状態にしてあげるために、子どもとしてできることをするのよ」と言う。それは確かに新鮮だ。