「こころのサポート」メディカルパブリッシャー刊 2011年春号 (通巻3号)

 朝日新聞に広告が出たので早速注文した。
 特集が『介護ストレスと上手につきあう』だったからだ。何でも勉強しようという気分になっている。
1.老年期をどのように迎えるか
2.特集対談「介護ストレスと上手につきあう工夫」
3.イラストQ&A「介護うつにならないために」
5.お薬情報
6.上手な動作で楽々介護
7.介護保険あれこれ
8.物忘れ外来
12.「認知症の人と家族の会」「朱雀の会」
 など必要な知識は網羅されている。どれもきちんと作ってあるという信頼感が持てる。
 後半は病気としての「うつ病」の話である。体験談もあるし、よくわかる。
 特に共感を持って読んだのは(2)の特集対談「介護ストレスと上手につきあう工夫」だった。
 石川牧子さんと斉藤正彦さんが話されている。紹介文を引用すると
 「石川牧子さんは日本テレビの管理職として、50人ものアナウンサーを束ねる要職につく傍らで、東京と仙台を往復しながら7年にわたって母親の介護をし、その後5年間は父親の介護をされてきました。また、認知症治療の専門病院である和光病院の院長を務める斉藤正彦先生は、ご自身でも認知症のお母様の介護をされています。」
 体験があるから、がすべてではない。このお二人の視点が良いのだ。
 特に「自分の生活に介護を組み込む」というところだ。斉藤先生がはっきりとおっしゃっている。介護が終わったあとには自分の人生がある。だから介護するために退職するのではなく、「最初からサービの利用を前提に介護を始めるべきです」と。仕事も続けていく。
 斎藤先生は患者さんから相談を受けたら「あなたの生活を変えずに介護が出来る一番良い方法を考えましょう」とおっしゃるそうだ。
 早い時期からサービスを使うことが介護の質も本人の生活の質も保てる、という点に共感できた。この意見をどんどん広めて欲しいと思う。どこの「物忘れ外来」に行っても、先生はこの意見だというふうになってほしいと思う。
 2000年以前の私のときには、無理であった。内科のお医者さんにはこの知識がなかった。その年に介護保険ができて10年もたっているのに、まだまだ一般の人が知らなくて損をしていることがたくさんある。私たち、介護の経験者ももっと訴えていきたいと思う。
 「介護者の皆さん、一人で悩まないで」