通じてなかった

 頼まれた講演が明日に迫った。
 最後かも知れないと「紫陽花便り」を幅広く送ってみたら「行く」と電話がきた。
 古い友達なのに「入所してすぐになくなるなんてどんな気持ち?」ときく。「大往生よ。よくぞ待っててくれた。家で突然死んだら救急車よんだら警察のご厄介よ」と言うと「えっ、知らなかったわ」と言う。
 書いてるやんか。「今はそうなってるよ」と言うと「知らない」
 知らない人は知らないし、言うても言うても通じてない。他人には一生懸命言わないと通じないものなんやねえ。
 もう一人は「友達のご主人は若いのに認知症で、認定されにくくて、サービスが使えないんだって。困ってるらしいわ。行けるデイサービスもないので、友達は自分の時間がもてないって。」と言う。だから言ってるやんか。「元帳を書いて、認定のときに特記事項を書いてもらう、って」と言うと「私に言ってもらっても・・・」と言う。だから「介護は豊富な知識と人脈だ」って、そういうことよ。私から仕入れた知識をその人に教えてあげなきゃ。まったく、通じてなかった。