「ゴジラ」と原子力

 息子の年代は映画「ゴジラ」で水爆を知ったそうだ。ビキニ環礁の水爆実験のあと、放射能で遺伝子が突然変異を起こし、巨大化したのだそうだ。今頃「そうだったの?」と言って、笑われた。
 戦後すぐのベビーブームのころに生まれた私は、小学校時代に学習雑誌の漫画で「原爆」を知った。「戦争はいけない」「原水爆を作ったり、持ったり、使ったり、売ったりしてはいけない」が当たり前で育った。
 また「阿蘇山の爆発」も「伊勢湾台風」も同じく、漫画で知った。「大鵬物語」だってそうだ。
 学生時代は「平和を求める」が普通で、デモもあれば、「労働者よ、団結せよ」もあり、「権利は与えられるものではなく、勝ち取るもの」であった。教師の仕事は「教え子を二度と戦場に送らない」であった。
 いま、NHKの連続テレビ小説「おひさま」のヒロインが、教師になって、「小国民」の教育をしている。「こんな時代だったのだなあ」と思いながら見ている。
 そして戦後に教育を受けた我々が、メッセージを正しく、次の世代に送ってきただろうか。「当たり前」と思って、伝えるのを怠ったのではないか?と思ったりする。