赤紫蘇

 今日は中学校に行く。
 校庭の梅の木に実がなって、梅干しをつけている。先生が「紫蘇を持って来て」と言われる。「紫蘇はまだ小さいよ。梅の水が上がっても、紫蘇が出回るまで待つのよ」と言っても納得してもらえない。それで先週は「梅干しと梅料理」の本を貸してあげた。ちゃんと勉強して!
 畑の紫蘇はまだ小さいが、たくさん引けばよいだけのこと。今日、持って行くことにした。
 朝から畑で引いて、山から引いた水道で洗う。
 持って行くと先生が「やった!」と喜ばれた。
 テーブルに新聞紙を敷いて、紫蘇の葉をちぎってボールや鍋に入れて行く。「大きくてきれいな葉っぱだけにしてね。小さいのは紫蘇ジュースを作ってあげるわ」と言うと、皆、せっせと働く。「働かざる者、食うべからず」が効いている。すぐに鍋がいっぱいになった。
 外の水道に葉っぱを洗いに行くチームと、台所で紫蘇ジュースを煮るチームに分かれる。
 グリルでは朝から収穫したピーマンを焼いている。豪快な「男の料理」だ。生徒からは「先生はおおざっぱやねん」と言われている!あはは!
 紫蘇を煮出したあと、葉っぱは緑に脱色されている。煮出した液体が黒い。
 「酢を入れたいのですが」と言うと、先生が出してきたのは「すし酢」だった。「魔法の紫蘇ジュースになるよ!見ててね!」と言って、入れると、赤くなった。「青色色素のアントシアンが酸に会って赤くなる」魔法だ。が、飲んでみると、なんか変だ!教頭先生に味見をしていただくと「これは!ポカリスェットだ!」すし酢には塩分が入っているので、そういう味になるのだって。失敗だった。やはり、普通のお酢がいい!