「介護の代わりいない」2割 重症心身障害者の家族に不安

   岐阜新聞Web   2011年12月18日09:47 
               市民福祉情報・オフィス・ハスカップより 
 県内で在宅生活している重症心身障害者を主に介護する母親らの42%が、体調不良や健康に不安を抱えていることが17日までに、県が初めて実施した実態調査(昨年10月時点)で分かった。介護者のうち21%は介護を交代できる人がいないと答えており、県障害福祉課は「介護疲れが深刻なことがうかがえる」と分析、来年度は短期入所の受け入れ先を確保するための助成や、ベッドの空き情報を介護者に提供できる仕組みづくりに乗り出す方針。
 知的障害と身体障害を併せ持つ807人を対象に調査、保護者らと面談して、580人から回答を得た。寝たきり状態の障害者が37%を占めていた。主に介護している人は母親が93%を占め、介護者の17%は60歳以上。介護のために、短時間の睡眠を繰り返している人は29%だった。
 人工呼吸器の管理やたんの吸引、経管栄養の注入といった医療的なケアが必要な重症心身障害者(351人)に絞ると、主な介護者は96%が母親。医療的ケアを交代できる家族がいない割合も27%とさらに高まり、「本人へのケアが母親に頼りきりになっているケースが多い」(同課)という。
 介護者が最も負担と感じるのは入浴介助が26%と最多で、移動介助が15%、食事、外出の介助が各13%などと続く。
 施設への入所は52%が希望していたが、時期は「介護が困難になったとき」が希望者の83%を占めるなど可能な限り在宅での生活を支えようとする母親らの意向がうかがえた。