「ブリコラージュ1−2月号」ブリコラージュ発行(有)七七舎

特集「オムツ外し学会 全国研修会in横浜2012」公式ガイドブック「新しい介護を始めよう!」
 ブリコラージュは最近「また、吠えているわい」ぐらいののりで「読み終わったで。誰にあげよう?」と探すのが常であった。
 今月号は違う。
 例えば、表紙裏の「装丁者のひとりごと‥食事風景」 石原雅彦さん
「特養ホーム入所中の義母が、ほとんど自力で食事ができなくなった」に始まり、「口からとる食事をこのまま維持してやりたいと思う。いつか必ずそれも無理になる日が来るけれど、そうなったときに妻が母親に対して、できる限りのことはやったと納得できることが大切なので、昼食の介助だけでも自分でやってみたらどうかと提案したら、是非そうしたいと言う。というわけで今は毎日片道一時間ちょっとかけて昼食介助に通っている」と続く。
そして週末は奥さんに同行して、介護現場を見せてもらい、食事風景を撮影しておられる。最後は「納得の介護にたどり着くまで、じっとレンズ越しに母娘の二人旅を見守ることにしている。」で終わる。
途中、義母であるから、血のつながった実の母親ではないので、多少なりとも客観的であることは冷たいことだとつくづく思う、というくだりもある。
 いつもの筆者とは違う。
 何度も何度も書いてきた、量としての積み重ねが、ある時、ぱっと、質に転化したというか、飛躍したというか、子どもの発達過程ではないので、失礼かも知れないが、そういう、キラッと光るものがあるのだ。

 もう一つ「オムツ外し学会全国研修会」の講師、矢嶋嶺さんの「老いの味方、老いの見方〜死と健康を考える 地域医療の中から見えてきた医療・介護をめぐる問題と 満足な死」
も、良い。必読である。